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監督兼メカニックの夫と挑む自転車競技 信頼できる伴侶と仲間に恵まれて嬉しい

「関西マスターズスポーツフェスティバル京都市民総合体育大会自転車シクロクロスマスターズ大会」が2月4日、京都市南区桂川緑地久我橋南地区特設コースで行われた。矢野さんは、信頼する夫と仲間のサポートを背に、クラス優勝を飾った。

シクロクロス

コースは、道路、田舎道、林道および牧草地を含んでいなければならず、これにより競技のペースを変化させ、困難な区間の後に競技者が回復できるようにする。コースは最短2.5km、最長3.5kmの周回路で形成するものとし、この周回路の少なくとも90%は自転車で走行可能であること。※

競技時間は30分~1時間が一般的で、レースごとに既定された周回数の消化を競う。コースに設置された人工の障害物は、自転車から降りて担いで通過しなければならない。ピットで自転車の乗換えや機材交換が可能。ベルギー、オランダなどヨーロッパが本場で、ロードシーズンが終わる9月から翌年2月にかけて行われる。

※出典、引用:公益財団法人日本自転車競技連盟「競技規則05_シクロクロス競技」

http://jcf.or.jp/

夫と仲間の応援を背に、クラス優勝

黒を基調にしたチームウェアに身を包み、矢野さんがペダルをこぐ。舗装された道路を走るロードレースとは違い、未舗装の悪路を周回するシクロクロス。コースには芝や泥道に加えて階段や柵など、自転車を担がなければならない障害物まで待ち受ける。「自転車に乗ったら速いんですが、担いで障害物を飛び越えるのが苦手なんですよ」と笑う矢野さん。「頑張れー!前のオッサンに負けるなー!」との笑い声交じりの声援を背に、見事に規定の8周を走破し、47分28秒のタイムでF45(45~54歳女性)クラス優勝を飾った。夫で監督を務める宏治さんが満面の笑みで見守る中、表彰台の中央で「皆さん応援ありがとうございました。チームのメンバーも応援してくれて、疲れて休もうかと思ったらヤジも飛んで(笑)。本当にありがとうございました」と白い歯を見せた。

SPORTforLIFE12回

信頼できる夫と二人三脚の競技生活

19歳の時に訪れたバイクショップで働いていた宏治さんと出会い、「主人のオートバイに乗っている姿が格好良かった。一緒に居て自然体でいられたので」と24歳で結婚した矢野さん。2010年、それまで縁のなかった自転車に心を奪われた。友人とサイクリング用に小さな自転車でも買いに行こうかと、軽い気持ちでお店に行くと、ロードバイクのフォルムに魅了された。宏治さんと「安全を最優先するなら」と約束し、購入。2年後には実業団選手としてロードレーサーデビューを飾ると数々のレースで実績を残し、シクロクロスにも挑戦。宏治さんが経営するお店でも自転車の比率を増やし、店名も「CYCLIST OASIS PEE‘S」とし、2013年に京都を本拠地とする地域密着型の自転車レースチーム「MOJYUMA Area075」を立ち上げた。SNSでの動画配信を機に、矢野さんが師と仰ぐ実力者の所司純一選手がチームに加わるなど競技仲間も増えた。監督兼メカニックの夫と二人三脚の競技生活に「信頼できる夫と一生をともにできることが本当に嬉しいです」と最高の笑顔を見せた。

矢野さんに聞く

自転車競技の魅力は?

矢野機械的な動力がない乗り物を自分の力で走らせるためには苦しい練習をしないといけませんが、練習をすればするだけ結果につながるので楽しいです。

学生時代の夢は?

矢野バスガイドさんになりたかったのですが、乗り物酔いが激しいことに気が付いていなくて…。子どもが好きなので資格を取り、保育士として働きました。

チームメイトとの楽しみは?

矢野月に1度の「マグロ会」です。「マグロのお店に行こう!」と発足した会で、多い時は10人ほどになる飲み会です。今ではマグロのお店に限りませんが(笑)。

当面の目標は?

矢野トラックに入る機会を増やして競輪学校の試験に受かることです。そしてワールドマスターズゲームズ2021関西に出場することです。

取材こぼれ話

全12回の連載は今回で最終回に。取材を通じ、「スポーツが人生を豊かにしている」と実感しました。ご厚意で体験させていただいた車いすハンドボール、グラウンド・ゴルフなど、どの競技にも奥深い魅力が詰まっており、初観戦のシクロクロスも、白熱のレース展開でした。どの現場にも、明日への活力となるポジティブな空気が流れていました。取材に応じていただいたアスリートの方々をはじめ、1人でも多くのスポーツ愛好家が2021年のワールドマスターズ関西でご活躍されることを心から願っています。